第95回 マイナンバーカード(2)サブカード

マイナンバーカード(個人番号カード)は顔写真付きの身分証明証代わりに使えるが、もっと効果が期待されるのは、公的個人認証機能である。本人確認が確実になるので住民票などの証明書の取得に使えるほか、民間の利用に広げれば、なりすましが問題になっているオンラインバンクやネット通販などの本人確認が確実になるなどが指摘されている。

ただ、そのために個人番号カードをいつも携帯しているのは煩わしいし、紛失事故も心配になるという声も強い。表側が氏名、住所、生年月日、顔写真が記載されているので身分証明証として提示する場合、裏側に個人番号が記載されているカードを相手に渡してしまうのは不安が残るという意見もある。

裏側の見えないカードケースを使うとか、裏面の番号のところだけシールを張る、などの「マイナンバーカード周辺グッヅ」の商品需要があると期待する向きもある。

一部のグループで浮上しているアイデアが「サブカード」の仕組みである。

個人番号カードの中の公的個人認証機能だけを切り離して別のカードやメディアに格納してしまう。記録領域に余裕のあるポイントカードや電子マネーカードなどに公的個人認証機能をコピーして置き、個人番号カードを一々携帯しなくても済むようにする。もちろんスマートフォンにも収容できる。

普段、個人番号まで利用する場面はそんなに多くない。これに対して本人確認のために公的個人認証機能を使う場面は意外に多い。サブカードの考え方も、今後、発展してゆくかもしれない。議論を十分にウオッチしておく必要があるだろう。


【 筆者=JAPiCO理事長 中島洋 】
*本コラムは、個人情報管理士、認証企業・団体サポートの一環として配信されている「JAPiCO」メールマガジンからの抜粋です。
*Japan Foundation for Private Information Conservation Organization