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理事長あいさつ

ごあいさつ

個人情報の適正な利用と保護は、円滑な事業推進を達成するための大切な要素です。どのような規模の事業者であっても、従業者やお客様や取引先の皆様の個人情報を取り扱います。我が国においては、個人情報の適正な取扱いと適切な安全管理、利活用を円滑に行うための枠組みとして、個人情報保護法が制定され施行されています。2005年に全面的に施行された同法は、2017年5月に改正法が施行され、2022年4月には3年毎の見直しを経た改正法が施行されるに至りました。

2005年の施行から今日に至るまで、長期に渡り運用されてきた個人情報保護法ですが、大手の事業者においては一定程度定着し、法令遵守のための体制も整えられてきましたが、一方で、中小規模事業者においては、周知・徹底ができているとは言い難い状況です。また、体制を整えていたはずの大規模事業者においても、何時しか形骸化が進み、個人情報の取扱いや安全管理措置の不備により、社会問題化する事案も散見されています。

一方、個人情報の保護や情報セキュリティを取巻く現状に目を移せば、サイバー攻撃の激化に伴い、不正アクセスによる個人情報の漏えい等は増加の一途を辿っています。極めて多くの事業者から、大量の個人情報の漏えい等が発生しています。内部の者による不正持ち出し不正利用事案も散見され、対策の強化なくしては、安全な社会の実現と維持が困難であるといえる状況です。また、クレジットカードの盗み出しや本人に成りすまして不正利用する被害も頻発しており、個人情報を不正に入手し悪用されることによって、個人や企業において被害が頻発しています。

個人情報の保護と適正な利活用は、事業者の社会的責任であるのはもちろん、事業継続を確実にするためのリスクマネジメントの第一歩でもあります。私たち「一般社団法人 日本個人情報管理協会(JAPiCO) 」は、益々重要度が高まる個人情報保護と適切な利活用の促進を目的として設立されました。当協会では、その目的を達成するために、次の二つの事業を展開致します。

その一は、個人情報保護法の枠組みや情報セキュリティを取巻く現実を正しく理解し、事業者において保護と利活用の両立を推進できるようにするための人材育成「個人情報管理士育成事業」です。法律や関連する法令を理解し、適切な対処ができるようにするために必要不可欠となる専門家を育成し、認定します。

その二は、個人情報保護マネジメントシステム(PMS)の運用についての厳しい基準をクリアし、適切に個人情報を取り扱っている企業の証として認証する「JAPiCOマーク認証事業」です。JIS Q15001規格に基づく企業認証を行い、体制構築と維持・改善を促します。

当協会では、人の育成や企業認証に留まらず、認定個人情報保護団体として、事業活動の支援のためのサポート機能を充実させることが大切な使命であると考え、日々変化する状況を的確に捉え、PMS改善の支援や様々な関連情報を提供し、お客様の立場に寄り添った、親身で丁寧な支援を第一としています。

益々加速するデジタル社会が健全に発展して行くために、個人情報の取扱いに精通した専門家集団として、事業者やそこで働く皆さまを強力に支援できるよう努力を重ねてまいります。


令和4年10月01日
一般社団法人 日本個人情報管理協会
理事長